READER'S NOTE

FXで全損した後に、まずやること

口座がゼロになった。追証の通知が来た。頭が真っ白で、検索窓に「FX 全損」「FX 退場」と打ち込んでいる——そういう人のためのページです。

FXで資金を全部溶かした直後というのは、判断力がいちばん落ちている時間帯です。冷静なつもりでも、恐怖と羞恥と「取り返さなければ」という焦りが同時に走っている。ここで動き方を間違えると、損失そのものより後の数年がしんどくなります。まず、次の順番で手を動かしてください。

最初の72時間でやること

  1. ポジションを全決済し、証拠金を出金申請する。「もう一回だけ」を物理的にできない状態にする。口座に資金を残しておくと、必ずまた触ります。
  2. 追証(不足金)の金額と支払期限を正確に確認する。多くの国内業者は数営業日以内の入金を求めます。払える見込みがなければ、放置せずに業者のサポートへ連絡し、分割の相談ができるか聞く。連絡を絶つのがいちばん悪手です。
  3. 生活防衛資金と借金を紙に書き出す。カードローンやリボでFX資金を作っていた場合は、金利の高いものから返済順位をつける。ここで家計の全体像を見ないと、次の一手が決められません。
  4. 誰か一人に話す。配偶者でも、親でも、同じ経験をした人でもいい。黙って抱えると「取り返して無かったことにする」方向に思考が固定されます。
追証が払えず、生活が回らないほどの借金になっている場合は、早い段階で法テラスや弁護士・司法書士の無料相談を使ってください。任意整理や個人再生という選択肢があります。「投資の失敗は債務整理できない」というのは誤解で、原因が投機でも整理の対象にはなり得ます(最終判断は専門家に)。

「自己責任」という言葉の重さと、正しい使い方

全損した人がいちばん刺さるのが「投資は自己責任でしょ」という一言です。事実ではあります。誰にレバレッジをかけろと言われたわけでもない。ただ、この言葉は本来、他人を突き放すための言葉ではなく、自分が次に進むための言葉です。

「相場のせい」「あの情報発信者のせい」にしている限り、同じ負け方を繰り返します。逆に、全部を自分の判断ミスとして引き受けられたとき初めて、「では何をどう変えるか」という具体の話に入れる。自己責任は、罰ではなく設計図の出発点です。

やりがちな「取り返し」の失敗パターン

どれも「損失を認めたくない」という同じ動機から出ています。まずは相場から物理的に離れる期間(最低3か月)を作るのが、いちばん再現性のある回復法です。

もう一度やるとしても、その前に

相場を完全にやめる必要はありません。ただ、再開するなら「失っても生活に影響しない金額」「レバレッジ2〜3倍まで」「1トレードの損失は資金の1%まで」を紙に書いて、家族に見せてから。ルールを他人の目に晒すことが、唯一効くブレーキです。

この経験を書いた本
孤独な戦いの流儀:全損経験者が語る、自己責任

著者・瑞慶覧達成が、自身のFX全損とそこからの数年を記録した手記です。「勝つ手法」の本ではありません。溶かした後、何を考え、どう自己責任という言葉と折り合いをつけ、生活を立て直したか。同じ場所に立っている人が、少しだけ息をつくための一冊です。

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